学生の皆さんは在学中に就職活動をして、無事に就職することが大学や親など周囲から求められています。
また、自分自身も周りの友人たちと同じように就職することが当然だと考えている人も多くいるでしょう。
そんな中でも就職先が見つからずに卒業する人や、そもそも就職活動をせずに卒業をする人がいるのも事実です。
このサイトを運営している私自身も関関同立という私立の大学に通わせてもらいながら、就職活動をせずに大学を卒業した一人です。
今回は、就職活動をしているけど内定をもらえそうになくて、このまま卒業してしまいそうな人。就職活動をせずにこのまま卒業する予定の人のために私が既卒になって感じたメリットとデメリットをまとめていきます。
これを参考にして自分はどういった選択するのかを改めて考え直す機会にしていただければと思います。
そもそも既卒とは?
先ほどから『既卒』という言葉を何度も使っていますが、そもそも既卒とはどういう意味なのでしょうか。
文字のまま読むと、「既に卒業している」という捉え方ができるので大学や専門学校を卒業したすべての人を指すように思ってしまいます。
しかし、ここで使う既卒とは就職をしていなくて学校を卒業している人を指します。
つまり、フリーターやニートの人が当てはまります。
私は既卒の期間はアルバイトをしていなかった時期もあるので、フリーターとニート両方を経験しました。
ただニート期間は、引きこもっていたかと言われるとそうでもなくて、この既卒の期間にやりたいことや夢を追いかけていたということになります。
既卒になって感じたメリット
それでは実際に私が就職をせずに大学を卒業して既卒となって、よかったなと感じたメリットを挙げていきます。
先に大事なことを言うと、私は既卒になったことを後悔していませんし、既卒になったからこそ今の自分があると思っています。
時間がある
既卒になって一番感じたことが時間があるという点です。
私は学生時代は理系の学部に入っていたため、学生時代は割と忙しい時間を過ごしていました。
- プレゼンテーションの準備
- 授業の提出物
- 実験の準備
- 研究室の勉強や発表
このようなものに毎日追われていて、その中でアルバイトもしていたので、あまり友達と遊びに行くということもできませんでした。
そんな自分にとっては既卒の期間というのは、かなり自由にできる時間があって、改めて自分について考える期間になりました。
- 自分が何をやりたいのか
- 自分の大事なもの
- どんな大人になりたいのか
こういったことを周りがしているからというように、周囲に流されることなく自分自身と向き合う時間があったのは非常に貴重な時間になりました。
もちろん、本来こういったことは学生の間に済ましておくのが一番なのですが、私は時間を言い訳にあまり自分と向き合えてませんでした。
そのため、この時間は社会人になった今でも宝物でもあります。
夢を追える
もちろん私も既卒の期間で自分と向き合ってばかりの生活をしていたわけではなく、精力的に活動していたことがあります。
それは自分の会社を持つという夢です。
私の夢に関しては、これ以上は割愛しますが既卒の期間は当然夢を追う時間が十分にあります。
学生時代に就職活動をせずに卒業する人の多くは夢を持って、追いかけるために既卒になるのではないでしょうか。
私もそんな一人でした。
私は自分の夢を途中で断念することになりましたが、がむしゃらに夢を追ったことで感じた挫折や苦労、それを乗り越えた気持ちは今でも私を強くしています。
そのため、夢があるのであれば既卒になるのも一つの手であると胸を張ってお勧めします。
働く意欲が湧く
次は働く意欲が湧くということなのですが、これは既卒の方では割と両極端になる考えではないでしょうか。
私の場合は自分が働いていないこと、同い年の友人はほとんど働いていること、親に養っている自分、こういったことを考えると自分も働いてみたい、働かなくてはいけないと強く思うようになりました。
学生の間は就職=負けという考えを持っていましたが、一度レールから外れたことで、自分の立ち位置がよく見えたのだと思います。
ニートやフリーターを一度経験してしまうと、なかなか働く意欲が湧かずに社会進出できなくなる人もいますが私は正反対になりました。
そこには自分の夢を叶えるには自分の力が足りないことを痛感したことも一つの要因になっています。
これによって「今自分に必要なのは社会に出て経験を積むことだ」と前を向いて就職しようと決めることができました。
これは学生時代に周りに流されて就職していたら、きっとできない考え方だったと思います。
既卒になって感じたデメリット
ここまでは既卒になって感じたメリットについて紹介してきましたが、次はデメリットについてまとめていきます。
先ほど私は既卒になったことを後悔していないと説明しましたが、『今となっては』でして当時は後悔することも多々ありました。
それでは既卒になって感じるリアルを知っていただければと思います。
将来や周囲への焦り
先ほどメリットで働く意欲が湧くとまとめましたが、これは焦りと紙一重なのです。
周囲を見て働きたいと感じるとともに、「自分は何をやっているんだ」と周りと比較している自分もどこかにはいます。
一度比較してしまうと、周りは大手企業に就職などしていると余計に焦りを感じてきます。
特に、既卒になると就職するのが難しく、ブラック企業や中小企業にしか入れないというイメージがありました。
私はそれら全てを覚悟して既卒になりましたが、それでもやはり焦りは常に自分を苦しめていたと今となっては思います。
そのため、就職先が決まると一気に自分の肩の荷が下りたのも今でも覚えています。
風当たりが強い
自分自身の焦りもそうですが、周囲が自分を見る目もどうしても風当たりが強いものがあります。
特に既卒になるには親や家族の理解は必須です。
家族に反対されながら既卒になってしまうと、自分にとって味方はいないと同然でしょう。
自分の場合は親の理解があったのが救いでしたが、肩書きとしてはフリーターやニートですので知人には堂々と顔向することができなかったことを覚えています。
私はプライドが高かったせいもあり、すべての友人に既卒になった理由を話していたわけではなく、どうしても嘘をついてごまかす場面がありました。
それほど世間はニートやフリーターに対して、厳しい目を持っています。
たとえそれが夢を追いかけている状況だったとしても、それを理解できない人というのは一定数います。
そういった人を無視するのが一番ですが、気分がいいものではありません。
既卒になる場合はそういった風当たりが強くなるのを覚悟しておくようにしましょう。
就職が難しい
最後のデメリットが就職が難しいという点です。
これは既卒の期間の長さや個人の能力にも大きく依存するので一概には言い切れませんが、学生と比較すると既卒の就職が難しいのは事実です。
私は既卒となって1年後に就職することを決断し、そこから就職活動を始めました。
運良く大手の企業に就職することができましたが、精神的にきつい部分は確かにありました。
ただ、就職に関しては必ずしも悪い点ばかりではなく、自分の場合は中途採用で内定をもらった上で新卒採用を受けました。
そうすることで新卒採用は大手企業に集中することができたのです。
学生時代であれば「必ず就職しなければ」という気持ちから、どうしても滑り止めのような企業も多く受けていたでしょう。
既卒になって中途採用という別の方法があったからこそ、新卒採用では挑戦することができたと感じています。
ただ、これは学校を卒業して3年以内の既卒は新卒扱いになるということなので、卒業してそれ以上経っている方は新卒採用は厳しいでしょう。
覚悟がないなら在学中に就職しよう
ここまで私が実際に既卒になった時に感じたメリット、デメリットについてまとめてきました。
ただ、一つ声を大にして言いたいことが「覚悟がないなら既卒にはなるな」ということです。
- 自分の夢を追いかける覚悟
- 周囲から厳しい目で見られる覚悟
- 就活が厳しくなる覚悟
これらの覚悟がなければ既卒になったことが後悔するでしょう。
私はこれら全てを覚悟して既卒になりましたが、それでも既卒の期間がしんどい時間もありました。
そのため、学生の方でなんとなく既卒になるという選択は絶対にやめておきましょう。