内定が得られなかったり、将来についてギリギリまで迷っていて就活のタイミングを逃したりした時、このまま就職留年するべきか、卒業して既卒となるべきかの判断を迫られます。
実は、就活市場においては圧倒的に既卒の方が不利だということをご存知でしょうか。
今回は、就職留年と既卒それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
就職留年と既卒の違い
まずは、就職留年と既卒の違いについて確認していきましょう。
・就職留年とは
就職留年とは、次年度で再度就活をすることを目的として大学を1年留年することを指します。
卒業単位を取得してしまうと自動的に卒業となるため、4年生後期の授業を意図的に履修しないもしくは単位を落とすことになりますので、表面上は単位留年と相違ありません。
・既卒とは
既卒とは、就職先が決まっていなくても大学を卒業することを指します。
卒業後すぐに就活を再開する人から、しばらくアルバイトで生計を立てながら数年後に就活を再開する人までさまざまで、就職浪人とも呼ばれます。
就職留年をするメリット
まず、就職留年をするメリットについて解説します。
・新卒扱いで就活ができる
新卒扱いでの就活枠は、基本的に今年度大学を卒業する学生に向けてのみ用意されています。
留年していても新卒であることに変わりはありませんので、新卒しか採用していない企業にも積極的にエントリーできるのが最大のメリットです。
・自己分析や企業分析に充てられる時間が多い
少なくとも1年間は学生としての身分が保証されますので、自己分析や企業分析にゆっくり時間をかけることができます。
自分が目指したい業界やその理由について分析したり、集団面接対策講座や企業分析セミナーに参加したりすることで、他の新卒者よりアドバンテージをもって就活に臨むことが出来ます。
就職留年をするデメリット
反対に、就職留年をするデメリットについて解説します。
・学費が余計にかかる
1年留年するということは、1年分の学費が余計にかかります。
費用は大学によって様々ですが、これまでと変わらない1年分の学費が必要になる学校もあれば、単位の取得状況に応じて減免が行われる学校もあります。
家計状況と大学の制度を照らし合わせた上で、慎重に判断しましょう。
・中だるみしやすい
卒業までの期間が1年延びるということはメリットでもありますが、中だるみしやすいというデメリットもあります。
まだ時間に余裕があるからとのんびりしているうちにすぐ次の就活シーズンが始まってしまい、十分な自己分析や企業分析ができていないまま昨年度と同じような就活を繰り返してしまうようであれば、就職留年した意味がありません。
早めの段階からインターンシップに参加するなど、年間のスケジュールを立てておくことが肝心です。
既卒になるメリット
次に、既卒になるメリットについて確認します。
・同期と一緒に卒業ができる
長く付き合いを経た同期の友人たちと、同じタイミングで卒業できるのは大きなメリットです。
留年して後輩たちと同じ授業を受けるのがどうしても恥ずかしかったり、学費の件で保護者に負担をかけたくなかったりする人もいますので、ストレートで卒業することに重きを置くケースもあります。
・入社時期が指定されない
既卒の場合、新卒を対象とした就活市場のピーク期間にとらわれず就活をすることができるため、入社する時期が柔軟に選べます。
場合によっては、3月に卒業して5月に既卒としての就活が成功し、入社するケースもあります。
早めに就職したいという人にとって、先に卒業してしまうというのも1つの手段です。
既卒になるデメリット
反対に、既卒になるデメリットについて確認します。
・受けられる採用枠が少ない
企業の多くは、新卒採用と転職者採用とで採用枠を分けています。
新卒採用では今期卒業するフレッシュな学生を、転職者採用ではスキルや職歴のある即戦力を雇うという目標がありますので、どちらにも当てはまらない既卒生は受けられる採用枠が少なくなります。
面接してくれる企業の絶対数が少ないということでもありますので、選択肢が限られてしまい、希望する企業を受けることすらできないリスクがあることを知っておきましょう。
・就活が難航しやすい
職歴のない期間にどんなことをしていたのか、なぜ新卒の時に就活が上手くいかなかったのかなど、厳しく面接担当者から追求される可能性があります。
目的意識をもって既卒となった人にとっては答えやすい質問ではありますが、そうではなく逃げるように卒業をしてしまった既卒にとっては非常に頭を悩ませる問題となるでしょう。
なるべくポジティブな言葉でまとめられるよう、十分な対策が必要です。
既卒となった場合は、今すぐ転職サイトへ登録を!
就職留年と既卒それぞれにメリット・デメリットはありますが、就活が難航しやすいという点でいえば既卒の方に大きなデメリットがあります。
ブランクが空けば空くほど不利になっていきますので、まずは今すぐ転職サイトに登録して情報収集を始めましょう。
既卒でも面接可能な企業や、自分のやりたいことに関連のある企業をピックアップしておくだけでも、動きやすさが変わってきます。
就職までのスピード感を意識した上で、早めの行動をしておくのが吉です。