引きこもりとは、就学や就労をせず家族以外の人と関係性を築かない状態が6ヶ月以上続いている人のことをいいます。
実は、自宅に閉じこもらず1人で買い物に行くことができたとしても、家族以外の人と交流がなければ引きこもりと判断されるということをご存知でしょうか。
引きこもりを脱却する鍵となるのは、自分と社会とのつながりがあるか、という点にあります。
今回は、引きこもりが社会復帰するまでの6つのステップについて解説していきます。
引きこもりの原因を知る
まずは、引きこもりになっている原因について考えましょう。
何かしらに挫折して気持ちが折れてしまったという人が多く、まずは過去の経験を清算することが大切です。
・成績の低下
学校成績が大きく低下し、授業についていけなくなることで学校が嫌になり、不登校からそのまま引きこもりになってしまうことがあります。
また、ここで取り上げている「成績の低下」とは、学校の授業成績に限りません。
これまでかなり力を入れて頑張ってきた部活の大会で大失敗をした、チームスポーツで大きく迷惑をかけた、ということが原因となり、友人や教師と会うことを「恥ずかしい」と思ってしまうケースもあります。
・就活や進学の失敗
就活に失敗して進路が決まらなかったり、志望している進学先に合格することができなかったりして引きこもりになる場合もあります。
第二志望以降の進路が決定していた場合であっても、「思っていた進路と違う」「こんなはずではなかった」と考えてしまい、理想と現実のギャップに悩まされます。
親や周囲の期待に応えられなかったことに対して後ろめたさを感じ、顔を合わせにくいと思う心理もはたらきます。
・いじめ
仲がよかった友人とトラブルが起きたり、学校・部活・習い事などの環境でいじめられたりした場合、同年代との付き合いが怖く感じられるでしょう。
「誰も助けてくれなかった」と考えてしまい、トラブルに関係する当人だけではなく周囲の友人・知人・親・教師などに対しても信頼の気持ちが沸かなくなるため、誰とも深い人間関係を築きたくなくなってしまいます。
インターネット上の友人などすぐに関係が切れる人とは遠慮なく話せる傾向にあります。
・ゲームやインターネットへの依存
SNS、オンラインゲーム、匿名掲示板などにのめりこんでしまい、常にパソコンやスマートフォンの前にいないと落ち着かなくなってしまって他のことが手につかなくなります。
「情報に置いていかれる」「浦島太郎状態になってしまう」と危機感を募らせてしまうため、お風呂や食事すら最低限のものになっていく人もいます。
・怪我や病気
怪我や病気によって学校や職場に行くことができなくなり、そのまま社会での居場所を失ったように感じるケースもあります。
中には、統合失調症や適応障害などを併発しているが故に、勇気を持って一歩踏み出してもコミュニティに馴染めず、また引きこもりになってしまう人もいるのです。
カウンセリングや療養と上手く組み合わせながら社会復帰を目指していくことになります。
家族と喋る
次のステップとして、「家族と喋る」ことが挙げられます。
長く引きこもりを続けていると、対面で人と話すこと自体が苦手になっている人も多いものです。
SNSやオンラインゲームなどインターネット上の環境であればスムーズに話せるという場合でも、念のため身近な人と巻き込んで会話の練習を始めましょう。
話題は、ニュース、天気、インターネット上で見つけた面白い記事、SNSのトレンドなど何でも構いません。
自分の言いたいことを話すことはもちろん、相手の話をある程度否定せずに聞くということに的をしぼってみるのもおすすめです。
外に出る
次に、家の外に出てみましょう。
どうしてもハードルが高く感じる場合は、早朝や深夜など人が少ない時間帯を選ぶのもおすすめです。
目的を持たず散歩しに行く程度も構いませんし、それでは手持ち無沙汰になってしまってどこを歩けばいいのか分からないという場合は、家から近いコンビニやスーパーに行くのもよいでしょう。
無理に「毎日外に出ること」と目標を定めず、時間帯を決めて気が向いた時に出ていく、ということから始めても問題ありません。
家族以外と喋る
家族以外の人と喋るのも大切です。
親戚、友人、近所の人など相手は誰でも構いませんが、メールではなくなるべく対面で話しましょう。
引きこもり支援のNPOやボランティア団体に連絡を取ってみるのもおすすめです。
解決のためにどう対策をしていくか一緒に考えてくれる団体もあれば、ただのんびり一緒に過ごして雑談するだけという時間を取ってくれる団体もありますので、近隣にどんな団体があるかチェックしてみるとよいでしょう。
バイトの面接を受けてみる
社会復帰に一歩近づくためには、バイトを始めてみるのがよいでしょう。
正社員でないと恥ずかしい、希望する業界で働きたい、という気持ちは一旦捨てて、まずはこだわりなく色々な業界に応募してみましょう。
バイトの選考は正社員面接以上に縁によって左右される部分が大きく、人柄や印象はもちろんのこと、人手の足りない時間帯にシフトを入れることができるか、交通費がかからないもしくは安いかなど物理的な条件によって決定されることも少なくありません。
もし選考に落ちても、会社の都合に合わなかっただけと捉えてどんどん次の面接を申し込みましょう。
バイトをしてみる
合格することができたら、実際にバイトをはじめます。
一度に何人も初対面の人と会う上、仕事内容は覚えることも多く最初は大変かもしれません。
半年は続けてみようと自分なりに目標を持ってみると、先が見えてきて努力しやすくなります。
嫌な思いや理不尽な出来事に遭う可能性もありますが、無理ない範囲で頑張りましょう。
【まとめ】自分のことを見つめなおし、バイトの応募をしてみよう!
引きこもりの状態から外に出て働くことは、実は物凄くエネルギーの要ることです。
まずはゆっくり自分のことを見つめなおし、出来るところから始めていきましょう。
また、早めの段階でバイトの求人サイトや転職サイトを見ておくのも1つの手です。
近所にどんな仕事があるのか、どんな職種でどれくらいの給料が多いのかを知ることにより、自分が働いている姿をイメージすることにもつながります!